思わずドキッとするとき

コラム
2020.09.15
思わずドキッとするとき

わたしは耳がきこえない

だからみんなが
わたしを呼ぶときはだいたい
わたしの肩を叩いてくれる

ある日 誰かがわたしの肩を
ポンっと叩いた

とても優しい叩き方だった

きっと友達だろう

そう思って振り向くと

わたしの肩を叩いたのは
クラスの中で
いつも怖そうにしていた人だった

恐る恐る「何?」と聞いてみると

どうやら
わたしが落とした携帯を
拾ってくれたようだ

普段の見た目からは
まったく想像のつかない
優しい叩きかたに
胸がドキッとしてしまった