私達の目指す未来

聴覚障害者が直面する4つのバリア

私たちの社会には、聴覚障害のある人が直面する4つのバリアが存在しています。
それは、制度的バリア・物理的バリア・文化情報面のバリア・意識上のバリアです。

なかでも「意識上のバリア」は、目に見えない分、最も根本的で、解消が難しいとされています。
「どう接すればいいのかわからない」「伝わらないかもしれない」といった思い込みが、人と人との間に距離を生んでしまうのです。

きこえ方の多様性とコミュニケーション方法

ひと言で「聴覚障害者」と言っても、きこえ方やコミュニケーション方法は人それぞれです。

きこえ方やコミュニケーション方法について

聴覚障害(難聴)の種類

  • 伝音性難聴:音のボリュームが小さい。外耳や中耳の障害により、音がうまく伝わらない状態。
  • 感音性難聴:音の明瞭度が低い。内耳や聴神経の障害により、音が歪んで聞こえる状態。

視覚的・聴覚的に分かりやすくした動画「難聴者のきこえ方なんなん?」も併せてご覧ください。

原因の違い

  • 生まれつき
  • 病気などの後遺症
  • ストレス
  • 加齢  

    など
    片耳だけに障害がある人や、左右できこえ方が違う人もいます。

コミュニケーション方法の違い

  • 音や声を大きくする
  • 口元を見せる
  • 筆談
  • 手話

    など
    聴覚障害になった時期や環境により、手話を知らない聴覚障害者もいます。

このように、「聴覚障害者」と言っても、実際には非常に多様な背景があります。

こうした多様性があるにもかかわらず、知る機会が少ないために、聴覚障害者へのイメージが偏ってしまったり、「自分には関係ない」と思われてしまうことがあります。

私たちは、この「無関心」こそが、目に見えない大きな意識上のバリアと考えています。

手話や聴覚障害者に対して興味を持ってもらうこと・関心を持ってもらうこと
それが意識上のバリアを壊す第一歩であり、他の3つのバリアの解消にもつながっていきます。

手話エンターテイメントの可能性

私たちの活動は聴覚障害のあるメンバーとないメンバーが共に活動し、
「きこえないこと」をネタにしたトークも入れるなど、
とにかく明るくて笑顔を絶やさないワークショップが特徴です。

そんな私たちのワークショップを受講した方からは
「思っていたより手話ってカンタン!」
「障害者は暗いと思っていたけど、めちゃくちゃ明るくて驚いた!」
「聴覚障害がある人でもめっちゃ喋るんですね!」
などの声が届いています。

これらの反応は“手話”や”聴覚障害者”に対するイメージを良い意味で裏切ることが多いです。
そしてそれは、裏を返せば“手話”や”聴覚障害者”のことを知らない人が多いという現実でもあります。

私たちは、手話を使ったエンターテイメントでたくさんの人を楽しませることによって、
自然と関心が高まり、手話が広まり、聴覚障害の理解が深まると信じています。

だからこそ私たちは「楽しく伝えること(エンターテイメントの要素)」大切にしています

エンターテイメントには、無関心を関心に変える力がある。

楽しさや感動を通じて心がひらかれると、「知りたい」「関わりたい」「広めたい」という気持ちが芽生えます。
それが、手話や聴覚障害への理解を広げ、やがて社会の制度や環境を変えていく力になります。

聴覚障害のある人にやさしい社会は、聴覚障害のない人にとってもやさしい社会。
誰もが安心してコミュニケーションできる未来へ、一歩ずつ近づいていきましょう。

私たちが目指す社会

想像してみてください。
聴覚障害のある・なしに関わらず、手話が当たり前になっている社会を。

想像してみてください。
どんなものにも音声情報だけではなく、視覚情報が当たり前にある社会を。

それは、すべての人にとって、より豊かで安心できる日常をもたらすはずです。

上記のイラストは、私たちが描く未来の街「ニューオーサカ」。ここには、手話や視覚情報があふれています。

  • お笑いLIVEに〇〇がついている
  • 自撮りしている子たちのポーズは実は○○!
  • 手話エンターテイメントの○○がある
  • アイラブユー通の街路樹が○○○
  • 太陽の塔の両手は○○○○を表している…!

他にもどんな工夫があるか、ぜひ探してみてください。
この街には、誰もが安心して過ごせるヒントがちりばめられています。