聴覚障害者が病院で困ること:ONLINE手話講座~きこえない人と病院編~

「名前を呼ばれていることに、気づけなかったらどうしよう。」
そんな不安を感じたことはありますか?
きこえる人はあまりピンとこないかもしれません。
体調が悪いとき、不安なとき、多くの人が訪れる病院。
本来は、安心して受診できる空間であってほしいものです。
けれど聴覚障害者にとっては、
その“当たり前の安心”が、揺らいでしまうことがあるのです。
これまでオンライン手話講座の受講生から、
「単発で学べる講座も受けてみたい」という声をいただいていました。
そこでアンケートを実施したところ、
特に多く寄せられたのが「医療」に関する学び。
今回はその声をもとに、
オンライン手話講座受講生を対象に
医療をテーマにした講座を開催しました。
講座では、医療現場で使える簡単な手話をレクチャーと
聴覚障害者が病院で「どんなことに困るのか」を共有しました。
たとえば――
- 名前を呼ばれても気づけない
- 検査の流れが分からない
- 口頭で説明されても伝わらない
- 補聴器を外したあとに説明される
- マスクや暗い部屋で口元が見えない

一つひとつは小さなことに見えるかもしれません。
でも、病院というただでさえ緊張しやすい場所では、
その“小さな分からなさ”が重なっていきます。
- 何をされるのか分からない
- いつ呼ばれるのか分からない
- ちゃんと理解できているのか分からない
病院という、ただでさえ不安になりやすい場所で、
こうした「分からない」が積み重なっていきます。
それは単なる情報不足ではなく、
安心を奪っていく“不安”へと変わっていくのです。
講座では、そうした状況を想像しながら、
医療現場で使いやすい手話表現や関わり方を学んでいただきました。
何度もお伝えしたのは
「専門用語をたくさん覚えること」が
ゴールではないということです。
なぜなら、どれだけ知識があっても、
相手に伝わっていなければ意味がないからです。
- 分かる手話を使ってみる
- ジェスチャーで示してみる
- 指差しで確認する
- 数字はゆっくり見せる
- 筆談や文字起こしアプリなど、視覚的なツールを使う など
伝え方は一つではありません。
その場で選びながら関わることが、安心につながっていきます。
お話をしていく中で、
「もっと特別なことが必要だと思っていました」
と驚かれる場面もありました。
“きちんと対応しなければ”と思う気持ちは大切ですが、
真面目さゆえに、難しく考えすぎてしまうこともあるのかもしれません。
でも実際には、少しの工夫や歩み寄りだけでも、
伝わること・安心できることはたくさんあります。
講座を通して、
「完璧でなくても、まずはできることからやってみよう」
と思ってくださった方も多くいらっしゃいました。
▼終了後のアンケートでは、こんな声が寄せられました。
・実際の困りごとや気持ちを知ることができて、とても勉強になった
・事前に説明があるかどうかで大きく違うと感じた
・手話単語だけでなく、伝え方の工夫が学べてよかった
・具体的な場面を想像できて、すぐに活かせそうだと思った
講座の中でも繰り返しお伝えしたのは、
「手話が完璧でなくても、できることはたくさんある」ということです。
大切なのは、
“ちゃんと伝わっているだろうか”と気にかけ続けること。
- 相手が分からないまま進んでいないか
- 不安そうにしていないか
その視点を持つだけでも、関わり方は変わっていきます。
聴覚障害者にとって、こうした困りごとは特別なことではなく、日常の中にあります。
今回の講座が、その現実を知るだけでなく、
「分からないことが不安になる」という感覚に気づき、
誰かに寄り添うきっかけになっていたら嬉しいです。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
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